豊頃町/戦後75年を迎えるトイトッキ浜のトーチカ

浦幌町と豊頃町の間に位置するトイトッキ浜。
トイトッキとはアイヌ語で沼の端のことで、その名の通り周辺にはトイトッキ沼があり、6月から9月にかけて野生植物の見頃を迎える野生植物群落があります。

この浜でひときわ目立つ建物が、北海道の戦争遺跡のひとつ「トーチカ」。
「トーチカ」とはロシア語で『点・地点』の意味で、軍事的には重要な地点を守るためにコンクリートなどを固めて作った小型の防衛用陣地のこと。
太平洋戦争末期の昭和19(1944)年、米軍の本土上陸に備えて広尾町や大樹町、豊頃町の太平洋沿岸にこのトーチカがいくつか建てられました。写真のように赤い祠が祀られているトーチカは珍しいようで、その姿をカメラに収めようと訪れる方も多いようです。

太平洋沿岸のトーチカは使われることなく終戦を迎えましたが、それでも終戦一ヶ月前の昭和20(1945年)年の7月には十勝で最大の空襲が本別町を襲い、多くの大切な命が失われました。
今年は戦後75年を迎えます。
十勝にいくつか残されている戦争の記録は、これからも大切に語り継がれることでしょう。